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2022年12月22日
noco-noco、革新的セパレータ技術「X-SEPA™」を発表
従来のセパレータの概念を超越しバッテリに付加価値を提供するX-SEPA™誕生
2023年1月末よりサンプル出荷開始

シンガポール、2022年12月 – noco-noco Pte. Ltd. (本社:シンガポール、 CEO:松村正大、以下noco-noco)は、既存電池の性能向上と次世代電池の開発スピード向上に貢献する画期的なセパレータ「X-SEPATM」をローンチしました。X-SEPATMは、三次元規則配列された空孔を特徴とし、多層構造により強度、高空孔率、バッテリ性能向上の最適な組み合わせを実現します。量産上の課題も克服し、 2023年1月末からX-SEPATMのサンプル出荷を開始します。

新たな市場の創造

X-SEPATMとは、既存のセパレータの概念を超越した、バッテリに新たな付加価値を提供するテクノロジープラットフォームです。noco-nocoの親会社スリーダムアライアンスは真の環境課題解決のために立ち上がり、8年間のセパレータ研究開発を経て、X-SEPATMを誕生させました。セパレータは電池の中で最も重要な役割を担います。負極と正極を隔てるセパレータは、電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保する部材です。スリーダムアライアンスの単層セパレータはより高い空孔率や、デンドライト(針状結晶と呼ばれる不純物)の発生を抑制する均一な迷路空孔構造を持ちますが、空孔率の向上は強度の低下にもつながります。そこで、強度、デンドライト抑制、高空孔率を追求した多層構造のX-SEPATMを開発し、空孔率の高い外層部による性能の発揮と、空孔率の低い中間層による強度の確保を最適なバランスで両立させることに成功しました。この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDOの助成事業の結果得られたものです。 

スリーダムアライアンスが特許出願中の三次元規則配列多孔構造を持つ独自の多層セパレータは、バッテリの長寿命化、信頼性向上(事故率低減等)、そしてより高い放電レートを実現します。さらにX-SEPATMを搭載したバッテリは耐熱特性にも優れ、エアモビリティの離発着を可能とする高出力用途にも活用が期待されます。従来のバッテリは高温に耐えられないものが多く、高温多湿の熱帯地方では劣化が早いのに対し、X-SEPATMは、独自の構造と素材により、耐熱性を持つ部材との相性がよく、大きな成長や大規模な電動化が見込まれる高温地域に最適です。

高精度のモデリングで次世代バッテリの研究開発を短縮、バッテリ開発製造のDXへ

EVの需要増加に伴い、バッテリの抜本的な性能改善が求められており、バッテリの事故はEVの世界的な普及の妨げとなっています。リコールは自動車メーカーの負担となり、バッテリを載せたEVの廃棄は極めて深刻な土壌汚染につながります。X-SEPATMは、独自の構造により、短絡の主原因を防ぎ、材料が耐熱性にも優れているため、バッテリの事故や破損を低減します。さらにセパレータ材料の高空孔率に伴うバッテリの高負荷性能や、基材であるポリイミドの耐高温性能による各種異常時の信頼性においても素晴らしい能力を発揮します。

X-SEPATMは、今後バッテリ開発を新しいステージに導きます。正極と負極を隔てる従来のセパレータの役割を超えて、バッテリの性能そのものを変え、高性能バッテリの開発が可能となります。従来のセパレータが不均一な空孔形状であるのに対して、X-SEPATMは均一な六方細密構造の空孔形状です。この均一な形状が、高精度のモデリングによるシミュレーションにおいて各種パラメータの最適化を可能とし、柔軟なセパレータの構造設計につながります。そのため、X-SEPATMはどのようなバッテリにも適応可能です。また、この“計算可能“という特徴は、開発の現場や市場からフィードバックされた情報を次の開発に活かせるという意味でも重要であり、開発プロセスのスピードアップやブレイクスルーにつながる可能性が飛躍的に増大します。将来、X-SEPATMはアナログなバッテリ開発製造の現場をDX時代に相応しい現場に劇的に変化させます。

目標は、5年以内に世界中の全てのバッテリにX-SEPATMを導入すること

X-SEPATMはバッテリのサイクル寿命を2倍以上に延ばすため、EVで一次利用した後、蓄電システムで二次利用するなど、ライフサイクルの中で複数用途への利用が可能です。長寿命であることは環境に優しいだけでなく、1充放電サイクルあたりのコストの削減にもつながります。X-SEPATMによるバッテリの長寿命化は、バッテリ1個あたりの環境負担を最小化し、循環型利用という新たな可能性を切り開くものです。

脱炭素ソリューションプロバイダーであるnoco-nocoは、長寿命バッテリの社会インフラ化を目指しています。環境保全のためには、バッテリの一次利用・二次利用、リサイクルは必須です。世界中で電動化が進み環境改善が進んでいるように見えても、バッテリの製造は、地球資源を圧迫するだけでなく大量のCO2を発生させてしまう上に、廃棄された場合の環境汚染の影響も甚大です。

よって、noco-nocoはEVの需要増加に乗じて長寿命ではないバッテリを大量に製造し、売り切りするモデルに強く反対しています。エネルギー利用の効率化に最優先に取り組み、最小量の長寿命バッテリを最大稼働させ、CO2を削減し、環境汚染を阻止することが私たちの使命です。そして、私たちはバッテリ起因の事故を低減し、バッテリを誰もが安価で安心して使用できる社会インフラの構築を目指します。

気温が1.5度上昇し地球が危機的状況に陥るまで全く猶予がない中、noco-noco は、環境保全のために5年以内に世界中のすべてのバッテリにX-SEPATMを導入しなければ手遅れになるという危機感を持っています。そのため、X-SEPATMの技術をあらゆるバッテリメーカーに広く提供し、noco-noco がバッテリを買い取り、自社が推進するカーボンニュートラルリースサービスにおいて、リース対象(EVやESSなど) にX-SEPATMを搭載したバッテリを適用します。通常の2倍以上の寿命を持つバッテリを一次利用・二次利用することで、バッテリ必要量を1/4以下に抑えます。X-SEPATMだからこそ実現可能となるのです。noco-noocは、私たちと同様に長寿命性に高い価値をおくパートナーを募り、持続可能な成長を促す仕組みづくりを進めます。

 

noco-noco Pte. Ltd.について

noco-nocoは、環境問題の真の解決を目指し、知性と感性で「no CO2」の未来を切り拓きます。

最新情報は、noco-noco.com, LinkedIn (www.linkedin.com/company/noco-noco) をご覧ください

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