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2024年04月24日
noco-noco、バイネックスと連携し土壌炭素のクレジット化事業へ参画

(シンガポール・東京 2024年4月24日)noco-noco Pte.Ltd.(ナスダック:NCNC 本社:シンガポール、最高経営責任者:松村正大、以下「noco-noco」)は、カーボンクレジットを活用した脱炭素ソリューション事業を拡大するため、バイネックス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:青木宏道、以下「バイネックス」)が取り組む農業におけるカーボンクレジット創出と事業化に向けた覚書を締結致しました。


タイにおけるソルガム栽培状況

noco-nocoは、X-SEPATMセパレーターを始めとする蓄電池関連技術の開発およびCO2の削減・吸収を促進するカーボンクレジットの創出を通じて、脱炭素化に貢献したいと考えています。2022年からはパプアニューギニアで森林保全などの活動からのカーボンクレジット取得に取り組んでおり、今後は森林だけでなく、バイネックスが手がけるソルガムという植物を活用して農業から得られるカーボンクレジットの創出にも注力します。

バイネックスは現在、バイオ燃料の開発に取り組んでおり、原料としてイネ科の植物であるソルガムの栽培に力を入れています。このソルガムは、東京大学との共同研究により開発された大量のバイオマスを得ることができる多収穫型のものです。従来の子実型ソルガムの年間収穫量は1ヘクタールあたり40~60トン程度(※1)に対して、バイネックスソルガムは1ヘクタールあたり最大250トン(※1)を超えます。従来のソルガム栽培の目的である穀物の収穫だけでなく、茎や葉を活用してバイオ燃料を生産し、石油や石炭の代替とすることで脱炭素化に貢献します。

ソルガムは土中に多くの炭素を貯留できるため、カーボンクレジットの生成も期待されています。バイネックスは、様々な国での栽培データを取得するだけでなく、すでに1万ヘクタール分の種を確保し、大規模栽培がいつでも可能な状態にしています。また、今年初めからタイで栽培を開始、今年後半にはオーストラリアでも開始する予定です。

ソルガムは他の植物に比べて根が深く、難分解性の成分を多く含むため、土中に大量の炭素を貯留することが期待できます。従来、農作物栽培時に土中に貯留される炭素は容易に分解され、土地の条件によっても大きく変化するため、吸収固定される炭素量の合理的な推定は非常に困難とされていました。しかしバイネックスでは、安定して数千年以上(※2)も二酸化炭素を固定するリグニンと呼ばれる難分解成分のみを定量評価することで、創出するカーボンクレジットの信頼性を担保しようと考えています。バイネックスの研究では1ヘクタールのソルガム栽培で18〜20トンの二酸化炭素をリグニンの形で(※3)貯留し、数千年以上固定化するという結果が得られています。

ソルガムは地中深く根を張り、大量の根量を持つ植物です。このため、バイネックスでは、ソルガムの根の質量と成分を正確に測定すべく、根箱(注4)と呼ばれる箱の中で異なる品種のソルガムを栽培し、実際の根の質量や吸収固定した炭素量を測定する研究に取り組んできました。

また不耕起栽培や炭素貯留のためのバクテリアなど、炭素量を増加させる研究が進んでおり、これらの取り組みと連携することでより多くの土中に炭素を貯留できると期待されています。

今後は、オーストラリアやタイなどの実際の栽培地で同様の根量及び吸収固定炭素量の測定を行い、その中でも難分解成分(リグニン量)による炭素貯留量を明確にしたカーボンクレジットの創出を目指します。

※1 バイネックスの実験結果に基づく
※2 論文におけるデータおよび専門家のヒアリングを参照
※3バイオマスが200ton/haの収穫量された場合の根における難分解性成分の量
※4縦30㎝、横90㎝、深さ180㎝程度の箱を作成し、土を詰めてその中でソルガムを栽培し、収穫時に根箱ごと掘り起こして正確なソルガムの根の量や成分の測定・分析を行うもの

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noco-nocoについて
noco-noco Inc.(NASDAQ: NCNC)は、カーボンニュートラル経済への世界的な転換を加速する脱炭素ソリューション・プロバイダーです。長寿命・高耐熱性能を実現した画期的なバッテリーセパレーター技術「X-SEPA™」を基盤に事業を展開し、クリーンで手頃な価格の持続可能なエネルギー貯蔵ソリューションのニーズに応えています。

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セーフハーバーステートメント:
本プレスリリースには、1933年米国証券法(「証券法」)第27条Aおよび1934年米国証券取引法(「取引所法」)第21条Eに規定される意味において、noco-nocoが現在入手可能な情報および信念と仮定に基づく将来予想に関する記述が含まれています。場合によっては、将来の見通しに関する記述は、以下の言葉によって識別することができます。「できる(may)」、「する(will)」、「し得る(could)」、「なり得る (would)」、「ものとする(should)」、「期待する(expect)」、「意向である(intend)」、「計画である(plan)」、「予想する(anticipate)」、「信じる(believe)」、「予測する(estimate)」、「推定する(project)」、「可能性がある(potential)」、「継続して(continue)」、「現在起こっている(ongoing)」、「目標とする(target)」、「求める(seek)」、またはこれらの単語の否定形もしくは複数形、ないしは予測もしくは将来の出来事や見通しを示すその他の類似の表現によって、将来見通しに関する記述を識別することができますが、すべての将来見通しに関する記述がこれらの言葉を含んでいるわけではありません。将来の出来事や状況、noco-nocoが事業展開する市場、noco-nocoの将来起こりうるまたは想定される経営結果に関する情報についての期待、予測またはその他の特徴付けに言及する記述も、将来見通しに関する記述です。これらの記述には、リスク、不確実性およびその他の要因が含まれており、実際の結果、活動レベル、業績または成果は、これらの将来見通しに関する記述によって明示的または黙示的に示されたものとは大きく異なる可能性があります。noco-nocoは、本コミュニケーションに含まれるそれぞれの将来見通しに関する記述には合理的な根拠があると信じていますが、これらの記述は、現在知られている事実および要因、ならびに本質的に不確実な将来の予測の組合わせに基づいていることにご注意ください。noco-nocoは、本コミュニケーションの将来見通しに関する記述が正確であると保証することはできません。これらの将来見通しに関する記述は、特に世界的なCOVID-19パンデミックの影響、潜在的な訴訟、政府または規制手続きの結果、およびその他のリスクと不確実性を含む多くのリスクと不確実性の対象となります。noco-nocoが現在把握していない、または重要でないとnoco-nocoが現在考えているリスクがさらに存在する可能性があり、それによって実際の結果が将来の見通しに関する記述に含まれるものと異なる可能性もあります。これらの将来見通しに関する記述には重大な不確実性が含まれているため、これらの記述は、noco-nocoおよびその各取締役、役員、従業員、またはその他のいかなる人物による、noco-nocoが特定の期間内に、または全くその目的および計画を達成することを表明または保証するものではありません。このプレスリリースに記載されている将来の見通しに関する記述は、この通信の日付時点でのnoco-nocoの見解を表しています。その後の出来事や進展により、これらの見解が変更される可能性があります。ただし、noco-nocoは将来これらの将来見通しに関する記述を更新する可能性がありますが、適用法で義務付けられている範囲を除き、現在のところ更新する意図はありません。したがって、本通信の日付以降のいかなる日付におけるnoco-nocoの見解を表すものとして、これらの将来見通しに関する記述に依拠すべきではありません。

2024年03月08日
noco-nocoとNeogenが戦略的パートナーシップを締結し、 成長著しいインドの電池市場にX-SEPA™技術を投入(2031年までに160億米ドル超の見積り)

 

要約

  • Neogenは、noco-noco のセパレータ「X-SEPA™」をインドで製造することを最終的な目標とし、 X-SEPA™ 技術の 3 年間のマーケティングおよび販売ライセンスを獲得しました。
  • noco-nocoの革新的なセパレータ「X-SEPA™」の技術とNeogenの電解液を融合させた技術的な相乗効果で、より幅広い顧客に先駆的なソリューションを提供します。
  • Noco-noco(ナスダック: NCNC)は、インドの電池製造部門におけるNeogen社の広範な顧客ネットワークを活用し、急成長するインドの電動モビリティ・エネルギー貯蔵市場にすばやく参入することを目途としています。

 

シンガポール/インド、2024 年 3 月 7 日 – 先日東京で開催された 2024 年国際二次電池展で、インドの上場企業 Neogen Chemicals Ltd (ニューヨーク証券取引所: NEOGEN) の完全子会社である Neogen Ionics (India) Ltd.(以下、Neogen)は、二次電池向けのさまざまな製品を展示し、特に noco-noco Inc.の画期的なセパレータ「X-SEPA™」を紹介し、展覧会で大きな注目と関心を集めました。

今年1月初め、Neogenとnoco-noco Inc.(ナスダック: NCNC)の100%子会社であるnoco-noco Pte. Ltd.(以下、noco-noco)は戦略的マーケティングおよび販売に関する覚書を締結しました。この合意は、noco-nocoの革新的なバッテリーセパレータ技術X-SEPA™をインド市場に導入する道を開くもので、最終的な目標は、NeogenがX-SEPA™セパレータを国内で製造することです。

この提携は、X-SEPA™の卓越した性能を活用し、インドのエネルギー貯蔵エコシステムと電動モビリティ分野の成長を促進することを目的としています。

写真:日本のnoco-techとインドのNeogen Ionicsが協力し、2024 年国際二次電池展でnoco-nocoのX-SEPA™とその他のNeogen製品を展示。左から河合氏、Metha氏、Kadam女史、守屋氏。

 

幅広い用途で市場参入を加

今後3年間にわたり、noco-nocoは信頼できる戦略的パートナーとしてのNeogenと協力し、X-SEPA™の商品と技術をインドで販売・流通してまいります。この提携関係は、市場への浸透を促進し、インドのエネルギー貯蔵市場と電動モビリティ市場で強力な地歩を確立することを目的としています。noco-nocoは、Neogenが持つインド国内の電池セルや電池のメーカーとの広範な顧客ネットワークを活用し、インド全土でX-SEPA™技術の採用を加速することを目指しています。

この提携関係は、インドの様々なリチウムイオン電池メーカーが大幅な拡大を計画し生産能力の大幅な増加を示している現況下に、戦略的なタイミングで締結されました。業界の報告によると、インドのリチウムイオン電池市場の年平均成長率(CAGR)は22.1%で、2031年には総売上高が160億米ドルを超えると推定されています。今回の提携により、noco-nocoはこの高成長市場における重要なプレーヤーとして位置づけられ、長期的提携関係を育み、持続可能なエネルギー貯蔵のバリューチェーンに貢献いたします。

 

高度なバッテリーソリューションのための技術の融合

この提携の第二の側面は、noco-nocoのX-SEPA™技術とNeogenの独自の電解液を統合し、二次電池の性能を向上させることです。

Neogenは、インドの電池用化学製品の大手企業であり、電解液とリチウム塩に重点を置いたリチウムイオン電池材料の製造を専門としています。

Neogenの電解液とnoco-nocoの画期的なX-SEPA™技術の統合により、インド市場の多様な需要に合わせた、より長寿命で信頼性の高い二次電池のための先駆的なソリューションが誕生します。このような需要は、季節による極端な温度変化から、広範な2輪・3輪車輸送や広範なエネルギー貯蔵用途向けの、手頃な価格の長寿命バッテリーのニーズまで多岐にわたります。

X-SEPA™のセパレータは、60℃で3000サイクルの長寿命、0℃においても高性能、150℃で1時間の耐異常性を実現する電池の原動力となり、Neogenの電解液とともに、X-SEPA™のインド全土での採用と市場への普及を加速させる新しい電池の製法を探求していきます。

noco-nocoのCEOである松村正大は、次のように述べています。

「インドの電池材料業界をリードするNeogenとの提携は、単なる業務提携ではありません。10億人を超える人々のエネルギー貯蔵需要が急増している中、持続可能なバッテリーアプリケーションの差し迫った需要に対応し、技術的ソリューションを開拓することに専念する強固なパートナーシップを意味します。私たちは、将来について極めて強い熱意を抱いており、企業価値を高め、革新を推し進めるために協力してまいります。」

 

ショーケースから協業までの軌跡:

この戦略的協業の始まりは、日本の3DOMでX-SEPA™の研究開発を率いる、著名な技術者である金村先生を日本から招いて、Neogenが大規模な業界セミナーを開催したことにさかのぼります。これが2023年10月に開催されたインド電池ショーにつながり、NeogenはX-SEPA™技術を展示し、国内の電池セル・バッテリーメーカーから大きな関心を集めました。

電気化学電池研究分野で著名な金村聖志博士は、3DOMでのセパレータ開発の先駆者です。現在、東京都立大学都市環境科学部名誉教授を務めており、京都大学工学部准教授、首都大学東京准教授、東京都立大学大学院工学研究科応用化学専攻教授を歴任されています。 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)審査委員を務められ、また多数の論文を発表されています。

 

 noco-nocoについて:

noco-noco Inc. (ナスダック: NCNC)は、カーボンニュートラル経済への世界的な転換を加速する脱炭素ソリューション・プロバイダーです。長寿命・高耐熱性能を実現した画期的なバッテリセパレータ技術「X-SEPA™」を基盤に事業を展開し、クリーンで手頃な価格の持続可能なエネルギー貯蔵ソリューションのニーズに応えています。

 

Safe Harbor Statement:

本プレスリリースには、1933年米国証券法(「証券法」)第27条Aおよび1934年米国証券取引法(「取引所法」)第21条Eに規定される意味において、noco-nocoが現在入手可能な情報および信念と仮定に基づく将来予想に関する記述が含まれています。場合によっては、将来の見通しに関する記述は、以下の言葉によって識別することができます。「できる(may)」、「する(will)」、「し得る(could)」、「なり得る (would)」、「ものとする(should)」、「期待する(expect)」、「意向である(intend)」、「計画である(plan)」、「予想する(anticipate)」、「信じる(believe)」、「予測する(estimate)」、「推定する(project)」、「可能性がある(potential)」、「継続して(continue)」、「現在起こっている(ongoing)」、「目標とする(target)」、「求める(seek)」、またはこれらの単語の否定形もしくは複数形、ないしは予測もしくは将来の出来事や見通しを示すその他の類似の表現によって、将来見通しに関する記述を識別することができますが、すべての将来見通しに関する記述がこれらの言葉を含んでいるわけではありません。将来の出来事や状況、noco-nocoが事業展開する市場、noco-nocoの将来起こりうるまたは想定される経営結果に関する情報についての期待、予測またはその他の特徴付けに言及する記述も、将来見通しに関する記述です。これらの記述には、リスク、不確実性およびその他の要因が含まれており、実際の結果、活動レベル、業績または成果は、これらの将来見通しに関する記述によって明示的または黙示的に示されたものとは大きく異なる可能性があります。noco-nocoは、本コミュニケーションに含まれるそれぞれの将来見通しに関する記述には合理的な根拠があると信じていますが、これらの記述は、現在知られている事実および要因、ならびに本質的に不確実な将来の予測の組合わせに基づいていることにご注意ください。noco-nocoは、本コミュニケーションの将来見通しに関する記述が正確であると保証することはできません。これらの将来見通しに関する記述は、特に世界的なCOVID-19パンデミックの影響、潜在的な訴訟、政府または規制手続きの結果、およびその他のリスクと不確実性を含む多くのリスクと不確実性の対象となります。noco-nocoが現在把握していない、または重要でないとnoco-nocoが現在考えているリスクがさらに存在する可能性があり、それによって実際の結果が将来の見通しに関する記述に含まれるものと異なる可能性もあります。これらの将来見通しに関する記述には重大な不確実性が含まれているため、これらの記述は、noco-nocoおよびその各取締役、役員、従業員、またはその他のいかなる人物による、noco-nocoが特定の期間内に、または全くその目的および計画を達成することを表明または保証するものではありません。このプレスリリースに記載されている将来の見通しに関する記述は、この通信の日付時点でのnoco-nocoの見解を表しています。その後の出来事や進展により、これらの見解が変更される可能性があります。ただし、noco-nocoは将来これらの将来見通しに関する記述を更新する可能性がありますが、適用法で義務付けられている範囲を除き、現在のところ更新する意図はありません。したがって、本通信の日付以降のいかなる日付におけるnoco-nocoの見解を表すものとして、これらの将来見通しに関する記述に依拠すべきではありません。

 

 

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2024年03月06日
バイネックスと日産
定置型発電システムへのソルガム由来バイオエタノール供給で協業

バイネックス株式会社(本社:東京都港区、社長:青木宏道、以下「バイネックス」)は日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:内田誠、以下「日産」)による定置型発電システムのトライアル運用開始に際し、その燃料となるバイオエタノールを供給する旨、合意しました。今後は、2050年に向けて日産の生産工場で使用する電力のカーボンニュートラル化に貢献すべく、国内外で多収穫ソルガム栽培に着手し、子実を食糧利用した後の残渣である茎葉を原料とするバイオエタノールやバイオペレットなどを供給していく計画です。

バイネックスは「食糧問題、エネルギー問題、環境問題といった人類の課題を真に解決する」というビジョンを掲げ、成長スピードが速く、大収穫量でエネルギー生産に適したソルガムを東京大学とともに共同開発して参りました。

一方、日産は固体酸化物形燃料電池(SOFC)を発電装置とした燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」の技術を自動車の動力源として世界で初めて車両に搭載するなど、持続可能なモビリティ社会の構築を目指してきました。その車載用SOFC開発の経験を、工場向けの定置型発電システムへと応用し、今回トライアル運用を開始するに至りました。

世界では、地球温暖化によるリスクを最小限に収め、産業革命前からの気温上昇を1.5度以下に抑えるために、スピード感をもってCO2をはじめとする地球温暖化ガスの排出を削減することが求められています。今回の両社の協業を通じて、バイネックスは農産物残渣のカスケード利用で製造するバイオマス燃料の利用拡大を目指し、さまざまな分野の製造業が使用する電力の脱炭素化を推進していきます。また、日産はSOFC技術を自家発電システムへと拡大するためのバイオマス燃料の調達先を確保し、クルマのライフサイクル全体のうち、生産時と使用時におけるカーボンニュートラルを実現していきます。

本日、定置型発電システムのトライアル運用を開始した日産の栃木工場で、会見が行われました。会見に先立ち、バイネックス代表取締役の青木宏道は「バイネックスはオーストラリアで大量のソルガムF1種子を確保済であり、大規模栽培に着手出来る段階を迎えています。地球に優しい自動車生産を目指す日産が当社をクリーンエネルギー供給のパートナーに選んだことは大変光栄であり、期待に応えてまいります。これを契機に日本経済の基盤である製造業の電力のグリーン化を支援し、国際競争力の維持強化と共に地球環境の改善に貢献してまいります」とコメントしています。

また、日産の村田常務は「内燃機関から電気自動車への大きな変革の中で日産は新たな領域における様々な技術開発にチャレンジしています。今後も他がやらぬ革新的な技術で、電動化やカーボンニュートラルの実現に貢献してまいります」とコメントしています。

 

 

バイネックス株式会社:
バイネックスは食糧問題、環境問題、エネルギー問題に真に取り組む、バイオ燃料のバリューチェーン構築を目指す企業です。生育時に大量の二酸化炭素を吸収固定化する植物であるソルガムの育種開発・栽培、ソルガム子実の食料供給、葉や茎といった残渣を原料とするバイオ燃料の製造・供給に加え、バイオ燃料を水素キャリアとする燃料電池や半導体製造、内燃機関向け燃料、石油化学向け原料代替等の用途開発を行っています。
URL:https://binex.jp/

 

本件に関するお問い合わせ:
バイネックス株式会社
担当:伊藤 宏治
電話:03-6433-5497(代)
E-mail:k-ito@binex.jp

2024年02月21日
革新的セパレータ技術である3DOMセパレータ「X-SEPA™」の薄型化に成功
使用用途の更なる拡大に期待

3DOMグループ傘下の技術革新企業であるnoco-tech Inc.(以下「noco-tech」)は、この度、画期的なセパレータ技術である「X-SEPA™」の薄型化の開発に成功しました。セパレータを薄膜化することで、電池容量を決定する電極材料(活物質)をより多く搭載すること可能になり、さらに電池の内部抗値を下げることでエネルギー損失を抑制し、高出力特性を向上させることができます。また、内部抵抗の低減により電池内の発熱を抑え、電池部材の熱劣化に起因する電池寿命を改善することができます。

今回の薄膜化されたセパレータは、当社標準品と比較すると電池の体積エネルギー密度は約12%、高出力時(10C)の電池容量は約30%向上させることができました。今後、軽量かつ高出力が求められる用途として、電動レーシング用EV、エアモビリティ(ドローン、eVTOLなど)、電動モーターボード、スマートフォン、電動工具等に対するセパレータの需要増が見込まれます。

「X-SEPA™」は8年以上にわたる研究開発、製造技術及び製造装置開発によって高品質かつ低コストでの提供が既に可能となっており、全世界のリチウムイオン電池メーカーへサンプル出荷を2023年2月より開始しています。電池メーカーに対しては、従来と変わらない電池製造設備、部材を使用出来ることも大きな特徴の一つであり、新たな設備投資をほとんど必要とすることはありません。

薄型化の開発成功により、「X-SEPA™」の使用範囲は今以上に拡がり、業界の課題、更には私たちが目指す環境問題の解決に向けて貢献できると確信しております。

薄膜化の実現に向けては、セパレータ材料、製造装置・プロセスの改良と最適化を実施し、更に鋭意開発することでこれらの課題を解決し、実現することが可能となりました。今後は製造ラインを確立し、現在協議中の企業へ薄型化された「X-SEPA™」の出荷体制を整えていきます。

 

noco-techについて:

noco-techは、3DOMグループ傘下の電池技術研究開発イノベーターです。そのポートフォリオには、バッテリのプロトタイプを含むリチウムイオン電池の技術が含まれています。2023年に設立され、横浜で3DOMのX-SEPA™セパレータ技術を含む技術的躍進の最前線にいます。
https://noco-tech.com/

 

問い合わせ先:

株式会社スリーダムアライアンス
グローバル広報
電話:03-5544-8275(代)
E-mail:pr@3dom.co.jp

2024年01月16日
noco-noco とGreenfuel、インドのクリーン・モビリティ政策を推進するための戦略的提携関係を締結

シンガポール/インド、2024年1月16日 – noco-noco Inc.(ナスダック銘柄:「NCNC」)の100%子会社であるnoco-noco Pte. Ltd.(以下、「noco-noco」)とGreenfuel Energy Solutions Pvt Ltd(以下、「Greenfuel」)は、効率、性能、寿命に優れたバッテリを用いたインドのクリーンな電動モビリティに革命を起こすことを目的とした覚書を締結したことを発表します。

この提携の核となるのは、noco-nocoのX-SEPA™セパレータ技術であり、独自の電解液と組み合わせることで、従来のリチウムイオン電池の電池寿命を60℃で5倍に延ばすことができます。この画期的な技術は、クリーンな電化ソリューションに対して急成長するインド市場の需要に大きな期待を抱かせるものであり、世界的な気候変動危機によってもたらされる気温上昇に直面する中、脱炭素目標とバリューチェーンを強化する同国の継続的な努力に合致するものです。

Greenfuel は、インド市場において17 年にわたる信用性と信頼性を誇るクリーンモビリティおよびエネルギー貯蔵ソリューションの大手プロバイダーです。インドの主要相手先ブランド製造業者(OEM)に電気自動車部品を供給する最大手サプライヤーのひとつである同社は、これまでに10万個以上のバッテリを販売しており、それらのバッテリは、インドの環境下で8,000万km以上の車両走行を実現してきました。noco-nocoの画期的なセパレータ技術をGreenfuelのバッテリに組み込むことで、単に性能を向上させるだけでなく、バッテリ関連サービス分野での利用機会を広げることができます。

 

成功への相乗効果:

覚書の条件に基づいて、noco-nocoまたは指定された第三者は、X-SEPA™テクノロジーが組み込まれたセルをGreenfuelに供給します。そしてGreenfuel はこれらのセルを活用して、画期的な技術をシームレスに統合するバッテリ パックを製造します。 また、インドとアフリカでのマーケティングおよび販売活動の先頭に立って、バッテリ交換などのソリューションのためのバッテリ・アズ・ア・サービス(BaaS)やドローン・アズ・ア・サービス(DaaS)を含む多様なアプリケーションに対応します。

noco-nocoとGreenfuelの協働事業はいくつかの段階を経て展開され、構造的かつ体系的に革新と市場展開を進め、noco-noco(あるいは指定された第三者)が四半期ごとに3MWhのセル(年間12MWh)を供給する形で最終的な製造量が決まる予定です。この数字は、X-SEPA™開発の最前線に立つ研究開発会社noco-techの買収により、2024年から能力増強を開始する予定のnoco-nocoの35MWhの自社生産計画能力の3分の1を占めることになります。この段階的アプローチは、noco-nocoとGreenfuelの両社が、品質、信頼性、拡大性を確保することのコミットを強く示しています。

noco-nocoの最高経営責任者である松村正大は今回の提携について次のように述べています。「Greenfuelと提携することで、noco-nocoはまだ始まりだがこれから成長を続けるインドの先進的バッテリソリューション分野への参加を戦略的に行えるようになります。この提携は、BaaSとDaaSへ一層注力し、インドの急成長する e-モビリティ分野での売上を伸ばす上での有利な道筋を提供します。当社の『全天候型』バッテリ技術と自動車分野におけるGreenfuelのリーダーシップを組み合わせることで、バッテリの使用事例全体で大幅な市場シェアの向上が期待されます」

Greenfuel Energy Solutionsの創業者社長のアクシャイ・カシャップ氏は、「noco-nocoとの戦略的提携を発表できることを嬉しく思います。この提携は、電動モビリティ分野に最先端のソリューションを提供するという我々のコミットメントを大きく前進させるものです。我々の共同努力により、二輪車および三輪車用のリチウムイオンバッテリの寿命を3倍以上延ばすことができるようになります」と述べています。

また、カシャップ氏は「この革新的な技術は、インドで誇りを持って製造され、細心の注意を払って設計されたバッテリパックとともに、電動車の総所有コストを削減し、同クラスの内燃機関自動車よりもはるかに安価に提供することができます。インドで初めて、このような価値を顧客に提供することができ、技術革新を推進するための『顧客第一』主義という当社ブランドのコミットメントにシームレスに合致しています」とも述べています。


急増するインドの電化ニーズへの対応:

インドのリチウムイオン電池市場は急速に成長しており、一部のアナリストらによると、予測期間内の年平均成長率は22.1%で、2031年には253億959万米ドルに達すると推定されています。この成長の主な要因は、自動車、家電、電力産業において、コスト効率が高く、軽量で長寿命の電池に対する需要が高まっていることです。

インドは2030年までに500GWの再生可能エネルギー目標の達成を目指しています。再生可能エネルギーの不安定性に対処し、電力グリッドのバランス化を図るために、2029~2030年のエネルギー出力の要件を41.65GWと見積もっており、それは電池エネルギー貯蔵システム(BESS)によるもので蓄電容量は208.25Gwhと想定されています。

さらに、2030 年までにすべての国内交通機関の最大80%を電化するというインド政府の目標により、電気自動車 (EV) の人気が高まり、地上交通におけるバッテリの需要が高まっています。 現在、インドの230万台のEVのうち90%が二輪車または三輪車のカテゴリーに該当します。 世界最大の人口と、2030 年までに 7 兆米ドルの価値があると予想される経済規模を誇るインドの成長の可能性は大きなものです。

インドでは、電動三輪車 (一般的で手頃な公共交通機関) は、45℃で 3,000 サイクルの容量を実現するバッテリを必要としますが、現在の容量は1,000 サイクル以下に留まっています。

X-SEPA™は、独自の電解液と併用することで、従来のリチウムイオン電池の寿命を5倍に延ばします。

noco-noco の X-SEPA™ テクノロジーは、0°C での性能を維持しながら、60°C で 3000 サイクルを可能にします。 さらに、この技術を埋め込んだセルを150℃の条件に1時間さらしても、ショートや発火の原因となる膨張などの異常は見られませんでした。このような技術の進歩は、北部地域では冬の気温が氷点下まで下がり、中部平野では命を脅かす長い夏の暑さという条件に悩んでいる国に、革新的なエネルギー貯蔵ソリューションを提供できる可能性があります。

Greenfuelのガス燃料・電池部門プレジデント、アショク・チョウダリーは、「インドにおける二輪車・三輪車用バッテリパックの展望を再定義する態勢を整えたnoco-nocoとの画期的なパートナーシップに着手できることを嬉しく思います。私たちは、共にe-モビリティ車が品質、信頼性、拡張性の新たな基準を打ち立てる未来を描いています。noco-nocoの最先端X-SEPA™セパレータ技術との統合は、持続可能な輸送に対する当社のコミットメントの証です。この協働は、環境に優しいソリューションを提供するという私たちの決意を強化するだけでなく、インドのEV市場において、より環境に優しく、より効率的な時代への道を開くものです。私たちは、この相乗効果が二輪車と三輪車の駆動法に革命をもたらし、よりクリーンで持続可能な明日を形成すると信じています」と述べています。

noco-nocoのチーフ・プロダクト・オフィサーである松下真理は、次のように述べています。「インドの運輸部門は、二酸化炭素排出を抑制するための重要な戦略としてEVの普及が浮上しており、急激な変化を目の当たりにしています。この取り組みを支えるためには、過酷な環境問題に耐えるだけではなく、性能、信頼性および運用期間を通じた価値を向上させることができる高度なバッテリ技術が不可欠です。そのため、noco-nocoのこの分野における専門知識は、世界で最も急成長しているクリーンエネルギーおよびモビリティ市場のひとつであるインド独自の動きに特に適しています。Greenfuel社との提携は、2030年までに普及率40%以上、売上高1,000億米ドルを達成すると予想されるEV市場において、当社のプレゼンスを確立する心躍る可能性を秘めています」

 

 

noco-nocoについて:

noco-nocoは、カーボンニュートラル経済への世界的な転換を加速する脱炭素ソリューション・プロバイダーです。長寿命・高耐熱性能を実現した画期的なバッテリセパレータ技術「X-SEPA™」から、グリーン輸送のためのカーボンニュートラル・リース・プラットフォーム「noco-noco Lease」まで、noco-nocoはクリーンで手ごろな価格の持続可能なエネルギーソリューションの必要性に取り組んでいます。バッテリにIoTデバイスを搭載し、データライトでスマートなエネルギーの最適化と利用を実現する未来に向けて取り組んでいます。サステナビリティをシンプルに。https://noco-noco.com/

 

Greenfuelについて:

2006年10月に設立されたGreenfuel Energy Solutions社は、クリーンモビリティとエネルギー貯蔵ソリューションを提供するインドの大手企業です。17年以上にわたってクリーンモビリティ・ソリューションを提供してきた実績をもち、Greenfuelは主要自動車メーカー各社のTier1サプライヤーとして確固たる地位を築いています。CNG/水素製品、独自のバッテリ管理システムを備えたプレミアムリチウムイオンバッテリパック、乗用車および商用車向けの電子部品などを製造しています。同社のビジョンは、顧客満足度を超えるクリーンモビリティとエネルギー貯蔵ソリューションを提供する、最も信頼かつ信頼できるプロバイダーになることです。
https://greenfuelenergy.in/

 

問い合わせ先:

株式会社スリーダムアライアンス
グローバル広報
電話:03-5544-8275(代)
E-mail:pr@3dom.co.jp

 

Safe Harbor Statement:

本プレスリリースには、1933年米国証券法(「証券法」)第27条Aおよび1934年米国証券取引法(「取引所法」)第21条Eに規定される意味において、noco-nocoが現在入手可能な情報および信念と仮定に基づく将来予想に関する記述が含まれています。場合によっては、将来の見通しに関する記述は、以下の言葉によって識別することができます。「できる(may)」、「する(will)」、「し得る(could)」、「なり得る (would)」、「ものとする(should)」、「期待する(expect)」、「意向である(intend)」、「計画である(plan)」、「予想する(anticipate)」、「信じる(believe)」、「予測する(estimate)」、「推定する(project)」、「可能性がある(potential)」、「継続して(continue)」、「現在起こっている(ongoing)」、「目標とする(target)」、「求める(seek)」、またはこれらの単語の否定形もしくは複数形、ないしは予測もしくは将来の出来事や見通しを示すその他の類似の表現によって、将来見通しに関する記述を識別することができますが、すべての将来見通しに関する記述がこれらの言葉を含んでいるわけではありません。将来の出来事や状況、noco-nocoが事業展開する市場、noco-nocoの将来起こりうるまたは想定される経営結果に関する情報についての期待、予測またはその他の特徴付けに言及する記述も、将来見通しに関する記述です。これらの記述には、リスク、不確実性およびその他の要因が含まれており、実際の結果、活動レベル、業績または成果は、これらの将来見通しに関する記述によって明示的または黙示的に示されたものとは大きく異なる可能性があります。noco-nocoは、本コミュニケーションに含まれるそれぞれの将来見通しに関する記述には合理的な根拠があると信じていますが、これらの記述は、現在知られている事実および要因、ならびに本質的に不確実な将来の予測の組合わせに基づいていることにご注意ください。noco-nocoは、本コミュニケーションの将来見通しに関する記述が正確であると保証することはできません。これらの将来見通しに関する記述は、特に世界的なCOVID-19パンデミックの影響、潜在的な訴訟、政府または規制手続きの結果、およびその他のリスクと不確実性を含む多くのリスクと不確実性の対象となります。noco-nocoが現在把握していない、または重要でないとnoco-nocoが現在考えているリスクがさらに存在する可能性があり、それによって実際の結果が将来の見通しに関する記述に含まれるものと異なる可能性もあります。これらの将来見通しに関する記述には重大な不確実性が含まれているため、これらの記述は、noco-nocoおよびその各取締役、役員、従業員、またはその他のいかなる人物による、noco-nocoが特定の期間内に、または全くその目的および計画を達成することを表明または保証するものではありません。このプレスリリースに記載されている将来の見通しに関する記述は、この通信の日付時点でのnoco-nocoの見解を表しています。その後の出来事や進展により、これらの見解が変更される可能性があります。ただし、noco-nocoは将来これらの将来見通しに関する記述を更新する可能性がありますが、適用法で義務付けられている範囲を除き、現在のところ更新する意図はありません。したがって、本通信の日付以降のいかなる日付におけるnoco-nocoの見解を表すものとして、これらの将来見通しに関する記述に依拠すべきではありません。

2024年01月09日
シンガポール上場企業であるSinjia Land Limitedとの逆買収を前提とした株式売買契約を解約

当社はバイネックス株式会社、バイオマスエナジー株式会社、株式会社メビウス、Future Science Research株式会社と共に、Sinjia Land Limitedとバイネックス・シンガポール社(「BSG」)のシンガポール取引所(SGX)上場のための逆買収RTOを目的とした株式売買契約を2022年1月31日付けで締結しておりましたが、今回、同契約の関連当事者間の相互合意により同契約を2023年12月30日付けで解約いたしました。
なお、BSGの戦略的成長資金調達に関しましては、現在、別方法を検討しております。

2023年12月05日
化学工業日報に「X-SEPA™」搭載電池の研究データ発表記事が掲載されました

11月30日に発表しました、第64回電池討論会における「X-SEPA™」搭載電池の研究データ発表について、化学業界をトータルに網羅し13万人を超える購読者を持つ「化学工業日報」に記事が掲載されましたのでお知らせいたします。

 

掲載:化学工業日報
掲載日:2023年11月30日
スリーダムアライアンス、次世代電池開発を加速
詳細はこちら

 

2023年12月04日
リチウムイオン電池技術の新たな標準となり得るX-SEPA™の革新的テクノロジーを発表

 

シンガポール/日本、2023年12月4日 – 株式会社3DOMアライアンス(以下、「3DOM」)が開発した革新的なセパレータ技術であるX-SEPA™の独占的かつ無期限のライセンシーであるnoco-nocoは、電池性能を新たな高みへと引き上げるX-SEPA™の計り知れない可能性を示す新たなブレークスルーを発表します。

大阪で開催された権威ある第64回電池討論会で発表された最新データでは、3DOM(3次元規則性マクロポーラス)セパレータ X-SEPA™に、3DOM独自の耐高温仕様の電解液と組み合わせることによって達成された電池の信頼性と耐性の強化が示されました。この電池を150℃の環境下に1時間放置したところ、電池の発火や爆発の原因となる内部短絡や膨張などの電池異常は観察されず、正常な充放電が継続することが示されました。現在実施中の60℃の環境下における試験では、従来の電解液やセパレータと比較して、約3,000サイクルという大幅な容量保持率の向上が確認できました。また、0℃以下の環境でも高い充電性能を示しました。

これらの結果から、X-SEPA™と新電解液を使用したリチウムイオン電池は、通常のリチウムイオン電池の使用温度範囲を超え、低温から高温まで幅広い温度範囲で使用できることが示され、気候帯が大きく異なる市場における複雑な地域戦略が不要になる可能性を示しました。

またこのブレークスルーは、固体電解質電池の領域に迫る性能の進化を意味するものです。

図:高多孔性ポリイミドX-SEPA™セパレータを組み込んだリチウムイオン二次電池の容量維持率 – 60℃テスト環境(出典:3DOM Alliance 2023

インドでは、一般的な公共交通手段である電動三輪車には45℃で3,000サイクルの充放電が可能なバッテリを必要とされていますが、現在の容量は1,000サイクルが限界です。

X-SEPA™の最新開発品は、電気自動車のリース期間を大幅に延長できるなど、インドの電動モビリティ分野で新たなフロンティアを切り開く可能性を秘めています。

 

バッテリの長寿命化がもたらす影響は技術面だけにとどまりません。リチウムイオン電池のコストが低下するにつれ、原料の過剰採掘から廃棄バッテリによる埋立地汚染にいたるまで、環境への影響に対する懸念が強まっています。アナリストは、2022年にリサイクルされる世界のリチウムイオン電池はわずか5%で、800万トンの電池廃棄物が発生すると予測しています

 

こうした問題を軽減するため、電池の初期寿命を延ばすことは、原料の過剰生産と廃棄物対策になるだけでなく、電力アクセスが不規則な地域では特に重要な二次利用を可能にし、より広範な再生可能エネルギーの導入を支援します。

企業や国家が脱炭素化目標の達成を目指し、持続可能な電化ソリューションに対する世界的な需要の急増に対応するため、こうした重要な成果がもたらされました。

一部のアナリストによると、世界のリチウムイオン電池の市場規模は2022年に700億米ドルと評価され、2032年には3,870億米ドルを超えると予想され、2023年から2032年の予想期間におけるCAGR(年平均成長率)はほぼ19%とされています。2022年には、アジア太平洋地域が世界のリチウムイオン電池市場の47%の売上シェアを占め、2024年には520億米ドルを超える市場規模になると予想されています。

noco-nocoのCEOである松村正大氏は、「このような画期的な進歩は、noco-nocoがX-SEPA™開発の最前線にある3DOMの研究開発子会社であるnoco-techを戦略的に買収する計画をさらに裏付けるものです。noco-techの先進的な研究所での生産能力、年間35MWhの生産能力、日本の横浜にある3,600平方メートルに及ぶ最新鋭の施設は、持続可能なバッテリソリューションへの高まる需要に応えるnoco-nocoの取り組みを強化するものです」。そして「電池討論会で最近明らかにされたX-SEPA™の開発は、リチウムイオン電池技術の転換点を示すものであり、noco-nocoはこの変革の旅の最前線にいます」と述べています。

 

この発表の技術詳細は3DOM Allianceのホームページをご覧ください。

 

 

noco-nocoについて:

noco-nocoは、カーボンニュートラル経済への世界的な転換を加速する脱炭素ソリューション・プロバイダーです。長寿命・高耐熱性能を実現した画期的なバッテリセパレータ技術「X-SEPA™」から、グリーン輸送のためのカーボンニュートラル・リース・プラットフォーム「noco-noco Lease」まで、noco-nocoはクリーンで手ごろな価格の持続可能なエネルギーソリューションの必要性に取り組んでいます。バッテリにIoTデバイスを搭載し、データライトでスマートなエネルギーの最適化と利用を実現する未来に向けて取り組んでいます。サステナビリティをシンプルに。https://noco-noco.com/

スリーダムアライアンスについて:https://www.3dom.co.jp/

noco-techについて:https://noco-tech.com/

お問い合わせ: contactus@noco-noco.com までご連絡ください。

 

セーフハーバー声明:

本プレスリリースには、1995年米国私的証券訴訟改革法で定義された「将来の見通しに関する記述」が含まれています。これらの記述は、noco-nocoの現在の情報と信念に基づいており、”かもしれない”、”だろう”、”予想する “といった言葉を使用しています。これらの記述は、将来の出来事、市場、noco-nocoの業務に関するものです。noco-nocoは、これらの記述の妥当性を信じていますが、内在する不確実性に注意してください。実際の結果は、世界的なCOVID-19の影響や潜在的な訴訟の結果など、様々な要因により異なる可能性があります。将来の見通しに関する記述は、特定の時間枠内でのnoco-nocoの目的または計画を保証するものではありません。noco-nocoは、法律で要求される場合には、将来これらの記述を更新することがありますが、現在のところ、その意図はありません。このプレスリリースの日付を超えて、これらの将来見通しに関する記述に依拠することはご注意ください。

 

 

2023年11月30日
革新的セパレータ技術である3DOMセパレータ「X-SEPA™」を搭載したリチウムイオン二次電池および次世代リチウム金属二次電池に関する研究データを発表

 

株式会社スリーダムアライアンス(以下、「3DOM」)およびnoco-tech Inc.(以下「noco-tech」)は、11月28日~30日で開催中の第64回電池討論会において、3DOMが開発した革新的セパレータ技術「X-SEPA™」を搭載したリチウムイオン二次電池および次世代リチウム金属二次電池の電池特性に関する2つの研究データを発表しました。

 

発表① 3DOMセパレータを用いたイオン液体電解質系Li金属二次電池の特性

【結果概要】
本研究は、3DOMセパレータを用いることで高Li塩濃度のイオン液体系電解液をLi金属二次電池へ導入し、Li析出溶解挙動や充放電サイクル特性などの電池特性を調査しました。図1に、「X-SEPA™」を用いたリチウム金属二次電池の充放電サイクル特性を示します。500サイクル後でも容量維持率が80%以上を示しており、充放電可逆性に優れた寿命性能を示しました。

さらに、従来の可燃性有機溶媒系電解液に比べ、難揮発性・難燃性であるイオン液体系電解液を用いることで、電池の更なる信頼性改善が期待されます。

 

発表② 3DOMセパレータを使用した長寿命リチウムイオン二次電池の開発

【結果概要】
リチウムイオン二次電池は、高温下では電池の寿命が大幅に短くなるという問題が生じています。当社では高沸点で高温環境に強い耐高温電解液を用いることで60℃条件下での長寿命化に取り組んできました。この電池の特長は、一般的なポリオレフィンセパレータではしみ込まない粘度の高い耐高温電解液をしみ込み性能が高い「X-SEPA™」と組合わせたことです。

現在実施中の60℃での充放電サイクル試験では、汎用の電解液とセパレータを採用した電池に対し、「X-SEPA™」と耐高温電解液を採用した電池は、約3,000サイクル到達時点で容量保持率が大幅に向上していることを確認しました。

 

 

また、「X-SEPA™」は、基材としてポリイミドを使用していることから約400℃の耐熱性を持っています。この「X-SEPA™」と耐高温電解液を組合わせた電池は、ポリオレフィンセパレータでは収縮による内部短絡が生じる150℃ 1時間の耐久試験において、セパレータ機能を維持して内部短絡することなく、また耐高温電解液の効果により電池の膨れ等も起こさずに充電・放電性能を維持しました。

 

 

 

一方で0℃環境下でも高い充電性能を持ち、室温と同じ充電条件を維持しながらサイクル特性を維持できることも確認しました。これらの結果から、高温環境だけではなく、低温環境まで幅広い温度領域で利用できるリチウムイオン二次電池が実現できる可能性を示しました。

通常のセパレータは、素材としてポリプロピレンやポリエチレンを使用しており耐熱温度は120℃程度です。一方3DOMが開発したセパレータ技術「X-SEPA™」はポリイミドを使用しており、450℃レベルの高い耐熱性を有するとともに高温仕様の電解液との親和性にも優れています。当社研究データでは、「X-SEPA™」と独自の耐高温仕様の電解液を組み合わせたリチウムイオン電池は、60℃の高温環境下で従来のものより寿命を5倍以上伸ばすことが可能となり、今後更なる寿命の伸長も予想されています。これにより、高温環境下でのバッテリ劣化の問題を抱えてきたインドや東南アジアを始めとする地域において大規模な需要が期待されます。また、バッテリパックを設計する際に高価な冷却システムとスペースの必要性を低減することが見込めるので、EVのバッテリパッケージコストの大幅な削減も期待できます。

「X-SEPA™」は8年以上にわたる研究開発を積み上げて来た製造プロセス技術及び製造装置によって高品質かつ低コストでの提供が既に可能となっており、全世界のリチウムイオン電池メーカーへ向けてサンプル供給出荷を2023年2月より開始しています。そして電池メーカーにとっては従来と全く変わらない調達原料、電池製造設備を活用出来ることも大きな特徴の一つであり、新たな設備投資をほとんど必要とすることなくかつ従来とは全く次元の異なる新たな高性能リチウムイオン電池を製造することが可能となります。また、X-SEPA™は、自動車分野にとどまらず、データセンター、エアモビリティ、船舶などの海洋アプリケーションなど多様な産業ニーズに対応しており、幅広い分野での持続可能なエネルギーソリューションとして期待されています。

 

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